1.並列運転【同一送風機】
並列運転は、送風機を並列につないだ運転で、これにより風量を増加させたい場合に用いられます。同一性能の送風機であれば、2台並列運転によって、2倍の風量が得られることになります。図-2に示す並列運転【同一送風機】の運転状態を下記に示します。
- Q-P曲線(風量-静圧曲線)は、Spb=Spa×2となります。この時、静圧はPs‘=Ps1=Ps2、動力はそれぞれの送風機のままとなります。
- 管路抵抗を「R」とすると、連合運転時の作動点は「A点」となり、風量は「Q1」が流れます。「Q1」は「Q2」の2倍となります。
- 各々、単体送風機における作動点は「B点」となり、軸動力は「Lb2」となります。管路抵抗を変えずに、1台を停止したとすると残りの送風機は「C点」にて運転することとなります。この際の軸動力は「Lb3」となり、定格以上の動力が必要となり、電動機出力をオーバーする可能性があるため、事前の検討が必要となります。
図-2 並列運転図と並列運転【同一送風機】曲線
2.並列運転【後から増設】
また、既に設置されている管路に同一の送風機を後から増設して並列運転とした際には、図-3のようになります。
管路抵抗を「R」、静圧曲線が「Spa」で運転していましたが、風量が不足しているために、既設送風機と同一性能の送風機を増設します。この場合、管路抵抗が決まっているために、風量は2倍得られず、「Q1」から「Q2」へわずかに増えるだけとなります。これは、風量の増加分以上に、圧力損失が増大するため、このような結果となります。
図-3 並列運転【後から増設】曲線
3.並列運転【性能の異なる場合】
特性の異なる送⾵機による並列運転の場合、⾵量は2台の和にならずに、1台単独運転の場合よりも ⾵量が減少することがあります。図-4 に⽰す並列運転【⼤⼩送⾵機の並列運転】の運転状態を下記に ⽰します。
⼤⼩の送⾵機A、Bを並列運転したとき、管路抵抗が「B」の送⾵機静圧より⾼い場合には、図-6の ように、「B」送⾵機管路内のガスは「A」送⾵機に吸引されることになります。そのため、「B」送⾵機 が抵抗となるため、「A」送⾵機の能⼒は減少します。
同⼀特性の送⾵機よる並列運転においても、各々送⾵機作動店が同じになるよう、管路も同じにして おくことが必要となります。すなわち管路差(抵抗差)があると、⾵量は和とはならずに総合⾵量が減 少する要因となります。
「B」の静圧より、全体圧損が⾼くなる場合、「A」からの排気が「B」へ逆流することになる。
図-4 並列運転図【性能の異なる場合】